
映画『ぼくのお日さま』が注目される理由は、台本なしで展開された演出方法にある。
今回の作品は、韓国で2026年1月7日に公開を控えており、第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に名前を連ねた。
演出・脚本・撮影・編集を奥山大史が直接担当し、初雪が降る季節に初めてやりたいことができた少年タクヤの忘れられない冬を描いている。奥山大史監督は「国際映画祭最年少受賞」の記録を持つ人物で、約6年ぶりに2作目の長編を披露することになる。
監督は今回も自らの美的感覚を最大限に発揮した。独特な演出方法が目を引くが、子役の越山敬達(タクヤ役)と中西希亜良(さくら役)には台本を提供しなかった。
二人の俳優は演技前にシーンの状況だけを伝えられ、現場で即興的に会話を展開し、自分たちが選んだ言葉でリアリティを加えた。
奥山大史は俳優たちの深い演技のために「話し方や性格、雰囲気、設定」が細かく反映されたキャラクター自己紹介書を別途制作・共有した。この資料は衣装チームや美術チームでも活用され、各キャラクターの個性が小道具や衣装などにも色濃く表れた。


撮影技法も独特だった。監督は前作同様、ワイドスクリーンではなく4:3の比率を維持し、対称と中央構図、余白の感覚でシーンごとに絵画的な美しさを盛り込んだ。
また、フィギュアスケートのシーンの生々しさを捉えるために、実際にスケートをしながらカメラを操作する方法を試みた。奥山大史の7年間のフィギュアスケート経験が映画の至る所で光を放った。
照明演出も差別化された。さくらが一人でアイスリンクを走るシーンでは、窓ごとに色とりどりの板を貼り付けてステンドグラスのような効果を生み出し、同じ場所でも色彩フィルターを変えて状況ごとに異なる感情を実現した。
映画のタイトルのように「お日さま」にふさわしい自然光撮影も印象的だった。屋外シーンはすべて太陽の光で撮影され、氷の湖のシーンでは3人を包み込む日差しを捉えるために、出演者と制作陣が5分単位で待機しながら最高の瞬間を捉えた。
フィギュアスケートという素材と自然で自由な演技の調和、シーンごとの緩急調整、そして多様な美術的試みが独特な映画的体験を予告している。
『ぼくのお日さま』は2026年1月7日に韓国の劇場で観客と出会う見込みだ。

最終更新 : 2025. 12. 18 10:57








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