
映画『コンクリート・マーケット』(監督 ホン・ギウォン)が3日公開を控えている。
今回の作品は大地震後、唯一残ったアパートで繰り広げられる物語で、その中で缶詰ハムなど日常的な食材が貨幣の役割を果たし、生存のための熾烈な取引が展開される。
アパート内にはファングンマーケットというマーケットが設立され、最高権力者 パク・サンヨン(チョン・マンシク)を中心に権力構造が形成される。
彼の周囲には左腕 キム・テジン(ホン・ギョン)と右腕 パク・チョルミン(ユ・スビン)が位置しており、彼らは缶詰を集めて上納競争を繰り広げる。
そこに新たに登場した10代の少女 チェ・ヒロ(イ・ジェイン)が場を揺るがし、復讐の物語を引き起こす。
チェ・ヒロは友人 セジョン(チェ・ジョンウン)を死に追いやったサンヨンを崩壊させるために、さまざまな戦略と裏切り、連帯を試みる。
映画は登場人物間の絶えず変化する関係と、サスペンスを呼び起こす展開で観客の視線を引きつける。
『コンクリート・マーケット』はウェブトゥーン『ユーモラスな王子』の世界観を共有する『コンクリート・ユニバース』の第3作で、前作『コンクリート・ユートピア』や『バッドランド・ハンターズ』と同じ背景を持つ。
しかし、登場人物と事件には直接的な関連性はあまりない。


作品は崩壊した社会で権力と資本が秩序を維持する構造を描くが、似たようなディストピア映画で見られた馴染みが感じられる。
特に主人公 チェ・ヒロが弱者を代表し変化を引き起こす姿は、作品の個性を加える。
若い青少年たちが自ら生き残り成長する過程を通じて、未来世代の主体性と役割が強調される。
劇の後半、学校設立をお願いするチェ・ヒロのセリフは、生存を超えて人間性回復に対する考察を呼び起こす。
ホン・ギウォン監督の演出力とイ・ジェイン、ホン・ギョン、ユ・スビンなど若い俳優たちのシナジーは、作品の緊張感を維持する。
また、チョン・マンシクは独自の存在感で中心を支えた。
起承転結がしっかりと構成されているが、各人物の感情線と欲望が完全に爆発しきれず、深い没入感がやや残念だという評価がある。
シリーズ構想から出発した作品を長編映画として完成させる中で、欠点も浮き彫りになる。
総ランニングタイムは122分、観覧年齢は15歳以上である。

最終更新 : 2025. 12. 03 11:13





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